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美容のあれこれ~その89~

少し暑さが和らいできた初秋、近隣の者たちでバーベキューをやることになった。
秋に道の駅で行う収穫祭の打ち合わせもあったし、顔合わせも兼ねていた。
参加者はほぼ農家だったが、アパートのオーナーや自治会関係者も含まれていた。
今まで農家が主体のこうした集まりにそうした人が参加したことは余りなかったことだった。
最近貸し農園などで交流が始まっていたから、そのせいかもしれなかった。
「家の牧場からは、ジェラート屋台を出すよ」「そうか、既に決まってるのはブランド米の握り飯、野菜と肉がたっぷりの焼きそば、豚汁と。
デザートは梨か?」ふなっしー来てくれないかなと呟いて、ハハハッと笑う。
「こんなもんで大丈夫かな」その試作品とも言うべき焼きそばをかき混ぜながら、男性陣は打ち合わせに余念がない。
女性陣は台所で豚汁作りだ。
野菜をきざみながら、こちらは噂話に余念がない。
誰それの息子がどうしたとか、あそこの奥さんがこうしたとか。
今回自治会つながりで初めて参加した私は、正直馴染むのに苦労していた。
町から参加している女性は他に誰もいなかったし。
ただ黙々と野菜を刻むのみだった。
「私、最近よく眠れないんだよねえ」「どうして?どこか具合でも悪いとか」「それはないと思うんだけど、布団に入っても中々寝付けなくて。
結局朝方にチョロッと眠るだけだから、身体がしんどくて」合間に野菜を切るリズミカルな音が挟まれる。
「それは困ったねえ」「旦那はそういうの知らないから、昼間ウトウトしてると文句言うし」「更年期障害なら、漢方薬とかもあるけど」しばしの沈黙の後、明るい声が響いた。
「居直ってしまえばいいじゃない」居直る?その時、窓から男性陣が顔を覗かせた。
「おーい、まだ出来ないのか?こっちはもう出来上がるぞ」「ちょっと、焦らせないで!私たち更年期障害で大変なんだから」男性陣はそそくさと戻っていく。
その手があったか!私たちはひそやかに笑った。